オープンソースハードウェアとライセンス(1)

投稿記事
秘密結社オープンフォース 河野悦昌

こんにちは、はじめまして。OSS Japan の今駒さんよりお話をいただき、何回か記事を書かせてもらうことにしました。

週一ぐらいの割で、オープンソースハードウェアとライセンス、およびそれに関連したお話などを10回程度でしていこうと思います。

まずは、自己紹介。

筆者は、秘密結社オープンフォースを主宰しています。秘密結社の中での肩書は「総統」です。オープンフォースは勉強会活動などを行うための非営利の組織であり、最近ではオープンハードカンファレンスを全国で開催したりしてオープンハードウェアの活動が多くなっています。

さて、今はハードウェアに熱い視線が注がれています。ドローンやIoTというキーワードが毎日のようにニュースになり、ウェアラブルや3Dプリンタという言葉がブームになった去年あたりから、従来の「ハードウェア」に込められたものとは明らかに違う「期待感」があるような気がします。

例えば3Dプリンタだと、ブームの最中では「思い描いたものをぱっと作れるようになるよねっ!」というような、とんちんかんなお話が出ることがありました。しかし馬鹿だなあで済ませて終わりではなく、こういった声が全くの素人からも出てきていたということは今までの「ものづくり」とは違う欲求が社会的に沸き起こってきているのだと考えます。

それはかつてソフトウェアの世界で起こってきたことですね。昭和の時代には、コンピュータ業界といえばシステムインテグレーターが業務システムを人月でつくり上げるものであり、下積みから何十年も業務経験を積んではじめて一人前になるような世界が幅を利かせてました。でも21世紀になってからは技術者が自分の作りたいものを自由に作って光の速さで世界に広めることが普通になり、そういったやりかたが新しい未来に向かうものという考えも別段突飛なものでなくなりました。

しかしソフトの世界でも、こういった新しい流れは21世紀になって突発的に出てきたものではなく、70年代のUNIX思想、80年代のGNU、と続き90年代にカリフォルニアンイデオロギーと名前を付けられたオープン文化の重厚な蓄積があってこそ存在するものです。特に、今IT系のスタートアップの世界が華やかなのは、そのように向かうよう、OSSのライセンス体系が何十年もかけて注意深く整備されてきたことの成果としていいと思います。

ハードウェアの世界でも、今のブームはやはり地道に積み上げてきたオープンソースがあってこそ存在するものです。しかし、今話題のいろんなデバイスはオープンソースとの係り、というのはかなり見過ごされています。とはいえ今後更に発展し真に社会を変えるイノベーションを起こすにはハードウェアとオープンソースライセンスというものを車の両輪として備えることが必要であると考えています。

本シリーズでは、そういったことにまつわるオープンソースハードウェアライセンスのお話をしていきます。

さて、最後にPRです。先にオープンハードカンファレンスを開催しているとありましたが、今月3/22と来月4/18に東京と長野でオープンハードカンファレンス開催します。ライセンスのお話も登壇していただこうとしています。ご興味があればぜひお越しください!